呼吸法を続けて2週間、突発的に「小周天」が発生して、熱いマグマのような気が、頭頂の裂け目から噴出する。
その後どうなったかといえば、そのままの状態で10分くらい放心していると、しだいに熱を帯びた気が、こんどは涼しく感じられるようになってきた。
まるで頭のてっぺんの穴から夏場の涼しい風が出入りしているような感覚で、本当にスースーと吹き抜ける感じがする。
あとで高校生になってから、どういうわけか高藤聡一郎著の『秘法超能力仙道入門―天地に充満する気を練成し超人になる』という本を入手することになるのだが、その本によれば、熱感が冷感に変わるというのはよくあることらしい。
熱感が冷感に変わって、さすがにこの奇妙な現象も落ち着いたのかと思って、呼吸法をしていた間、ずっと閉じていた目を、いよいよ開けてみることにした。
クローゼットの裏にあった鏡のところに一目散に走り、小周天で自分の外見に変化が出ているのかどうかを確認した。
頭が割れてマグマのような気が噴出するのだから、ひょっとして、髪の毛が抜けてしまったり、頭が変形したりしているのではないかと危惧したわけだ。
結論からいえば、鏡を見ても変わったところは何もなかった。
体感としては明らかにすさまじいものがあったのだが、他人からわかるような外見上の変化は何もなく、要するに自分だけの感覚の世界のできごとであったわけだ。
もっとも、少し期間が過ぎると、多少の変化はあることがわかった。
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