スカイフィッシュのような得体のしれないものとして次に見たのは、西洋とも東洋ともつかない騎馬武者で、これはひょっとしたら誰かが想像でつくった人工精霊的なものかも知れない。
やはり銀色で空中に浮かんでいたのだが、よく目を凝らしてみないと細部が確認できない。
この手の謎の生き物を見るにあたっては、オーラ視と同じで、真っ暗というよりも、少しだけ光がある程度の薄暗さであるほうがよさそうだ。
ふつう、人間が物を見る場合、眼の焦点は遠くの文字でも物でも何でもよいが、何か実体のあるものに合わせようとするだろう。
スカイフィッシュ的なものを見る場合、そうではなくて、自分の目と実体との間の空間に焦点をあわせるようにする。
ちょうどぼんやり空間を見るような感じで、そこには当然何もないはずだが、ときおり何か銀色のアメーバのようなもやもやが浮かび上がってきたりする。
その時点ではなんだかよくわからないので、今度はその空中に浮かんだアメーバ様のものに焦点を当てると、騎馬武者みたいだとか、何らかのフォルムがわかるようになる。
騎馬武者のときは、さらにそいつが微妙に震えているような気がしたので、手の部分に焦点を当てるようにすると、剣を振っているのがわかった。
こうして次々と焦点を当てていくというのは、学校の理科の時間に顕微鏡をのぞいて筒を上げ下げしてピントを合わせたのにひじょうによく似ていると思う。
最後に手の位置をクローズアップして剣を見たのも、ちょうどプレパラートを移動させる作業と同様だ。
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